tokiwaji 2013'6_010
Posted on 2015/09/07 | -BUILDING -CONSULTING

Satoyama Hotel TOKIWAJI


国民年金の加入者向けの保養施設として全国に50カ所以上あった国民年金保養施設だったが、ある時期にその多くが民間に売却された。「ときわ路」もその施設の一つである。当初は地元常陸太田の冠婚葬祭や会議、祝賀会などなにかと稼動していたが、時代の流れとともに稼働率が低下。そんなホテルを引き継いだのが今の30代半ばの女性オーナーである。
自らのセンス、海外での生活経験を持つ彼女独自のセンスで片田舎のどうにもならないバブルの遺産が大きく生まれ変わったプロジェクト。

 

オーナーと彼女の周りにあつまる人々によりこのホテル再生のプロジェクトをすすめられた。まず我々が取り組んだのは周辺の豊かな自然・・・それは決して風光明媚な景観でなく日本のどこにいっても目のあたりにする地方都市の田舎まちである・・・を中心にどのようにブランディングの軸を組み立てるかという事である。我々はホテルの周辺に広がる里山の風景を一番の資産ととらえ、「里山ホテル」として里山での体験をそこに集まる人の力でつなげていく試みを取り組んだ。「里山ホテル ときわ路」の誕生である。
我々設計チームが取り組んだのは、この「里山ホテル」の象徴的な場となる部屋を作る事と、建物全体を里山のトーンに調和させていく事である。


<星のお部屋>

 

<星のお部屋 キッズルーム>

里山ホテルの象徴的な場としてこれまで大部屋として利用されていた眺望が最もよい3階の部屋を「月のお部屋」「星のお部屋」として整備した。周辺の里山全体を見渡し、ホテルらしいほどよい心地よさとおばあちゃんの家にあそびにきたような懐かしさが同居する空間を目指した。既存の和室の要素も残しながら、廃材を出来る限り減らせる計画とし、手触りや素材感が感じられる素材選びを念頭に進めた。
「里山ホテル ときわ路」の再生は当初の計画を完了し、ハードにあわせてソフトのコンテンツを充実させるフェーズに移行した。

里山:「集落、人里に隣接した結果、人間の影響を受けた生態系が存在する山をいう。」

自然を知り、日常的に触れる場としてこれまで当たり前に有った里山。その意味と魅力を後世に受け継ぎ、人と自然、人と人を結びつける場としてのホテル。人と自然とともにこれから成長していくときわ路を見守りたい。

<月のお部屋>

 

<星のお部屋 鋳物の浴槽>

 

 


design+idea
Photo by Naoki Yamamoto