初めて現場を訪れた時に大切にすることは、気持ちのいいところと嫌なところをシンプルに感じること。例えばこの南長崎のプロジェクトでは、とにかく外の陽の光が気持ちいいのになぜかエントランスが薄暗くもの寂しいこと、1Fの部屋なのに外に対して閉じたくらい場所いなってしまっていることが気になった。
リノベーションの計画ではこの感覚を大切にし、外部に張り出したい必要以上に大きい庇を撤去し、陽の光がエントランスホールの中にまで注ぎ込むようにし、1Fの住戸はリビングから直接外に出られるようなプランとした。実際の募集でもこれまで倦厭されていた1Fから入居が決まったとのことで、自分たちの考えが認められホッとした。
賃貸住宅として、広くひらけた場所として地域のためにできることを考え、災害時の拠点として地域に貢献できる提案を行った。
まずエントランスホールのベンチには防災倉庫としての役割を持たせ、備蓄品や災害備品を備える計画とした。また、1Fのベンチには災害かまどの機能を持たせた。ベンチの座面をとるとかまどが現れ、災害時利用できる。
既存建物の課題を解決し永く収益性が期待できる企画としながら、地域の資産としても周辺住民からも愛されるプロジェクトになった。
エントランスホール内部
Before