設計事務所としての役割

建物を編集する

古い建物に新しい役割や意味を見出して再生する。それはとても意義が大きく社会的にも様々な問題を解決することができました。排気を減らすこと、環境負荷を減らすこと、地域の雇用を生み出すこと。もちろん壊してしまった方がいい建築もあります。特に住宅などはある年代以前のものは構造的にはその基準が弱かったり、断熱が良くなかったりと、再生しても余計なエネルギーがかかってしまう建築もあります。それぞれの建物の良さや課題を整理し、もう一度使う人や目的を丁寧に整理し、編集し直すことに取り組んできました。

 

事業という視座

建物を再編集する考えとあわせて大切にしているのが不動産事業として視点です。設計という仕事になるとどうしてもデザインとかディテールなどに視点がいきがちですが、全ては不動産事業であるということを自分自身も仲間にも大事にするべく取り組んできました。つまりそこには、お金と時間と質という軸があって、できたものの評価も単にデザインがいいとかそういうことだけでなく、どれだけ不動産価値が上がったか、どれだけ永く収益を埋めるかという軸です。

 

アイデアとデザインの力で課題を解決する。

こういう話は設計とかデザインを志した人には本当に邪魔くさい話だと思います。
しかし、世の中には有名建築家が使った空室ばかりのアパートや全く使い物にならないテナントビルがたくさんあります。それは本当に建築の功罪だと考えています。EVをつけるかつけないか、つけるならどれだけ賃料が上がるのか、カーペットがいいのかフローリングがいいのか、どちらがリーシングしやすく、メンテナンスも少なくて済むのか、そういう議論の上に完成度の高いものを目指していきたいです。